てる

アイアンマン3のてるのレビュー・感想・評価

アイアンマン3(2013年製作の映画)
3.0
トニーも人間なんだなと思わされる作品だった。パニック障害や不眠症に悩まされる。自信満々のナルシストのこの男にも一端の悩みはあるんだね。
とはいえ、以前から弱いとこはあった。資産家で、天才発明家、顔も良くて、お調子者。だけど、親しい人も周りにはあまりいないし、部屋でコツコツと一人で機械いじりをしているし、発明の失敗もある。案外憎めない男なのだ。
そんなトニーにまたまた事件が起こる。今回は自分が蒔いた種の一つだとは思うが、もらい事故的な要素が強い。良くも悪くも目立つから気を付けなければならないね。メディアに顔を出す人は大変だ。
パニック障害に苛まれながら戦うトニー。実際のパニック障害はこんなに軽いものではないと思うが、端から観ると、大変だと感じる一方で滑稽でもあった。普段強気な男が弱々しいところを出すと微笑ましい。人間臭いトニーには魅力があった。鋼のスーツを雪が降りしきる中、紐で牽引したり、ホームセンターで買った商品で自作の武器を作って、敵のアジトに乗り込んだりと、今回のトニーは大変だなと思わされ、派手なアクションがなくてもヒーローはヒーローなんだと感じた。
そういう人間臭いヒーローを楽しめたが、今回の作品って地味だよね。最後のバトルは派手だった。いくつものアイアンマンスーツが戦い、次々にスーツを装着し戦うトニーは面白かった。ヴィラン側もスーパーパワーを持った超人だ。見た目的にもインパクトはある。ヒーローがヒロインを助けられなかったというのも衝撃だった。たまたま適正があり、スーパーパワーを手にして、助かったものの、そりゃストーリー的に、ヒーロー物の筋としていかがなものかと不満はある。
ただ、数々言いたいことはあるが、今回地味だと思うのは、ヴィランが人間であることだ。世界の存亡をかけた戦いというわけでもないし、地球を侵略しようとした宇宙人を撃退した後のストーリーとしてはちょっと弱い。面白い作品ではあるが、記憶には残らない。面白かった! と色んな人にオススメしたいとならない。あと、もう一押しがほしい。
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