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パフューム ある人殺しの物語のcamusonのレビュー・感想・評価

4.8
人類の究極のメニュー、至高のメニューは「匂い」である。
ということを映像によって表現した作品です。

とにかく、映像がすばらしいです。
人肌のシミ、毛穴、うぶ毛までもが、精細にフィルムに写し取られていますが、
色彩と陰影の処理が一貫して中世絵画風に施されており、
いろいろと混じりながらも調和が保たれ濃厚に香り立つ映像です。

また、他の配役はともかく、主役ベン・ウィショーがすばらしいです。
自分の天才に対して純粋かつ従順なところが良く表現できています。

終盤、処刑台での展開には、いい意味で驚かされされましたが、
「天才もの」としては、むしろ、これありきでしょう。

終わり方に関しても、人の狂気を引き出す程度の能力を
十二分に発揮した、非常に“らしい”終わり方だと思います。
見た後では、これ以外の終わり方が思い付かないです。
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