灰田

パフューム ある人殺しの物語の灰田のレビュー・感想・評価

3.2
香り という目で見えないものを表現したこの映画をカオスだとかそんな簡単な言葉で終わらせてたまるか、という気持ちだ。
全ての匂いを嗅ぎ分けられる主人公が調香師になって最高の香水を作る物語。こういえば聞こえはいいかもしれないが実情は美しい女性の体臭に魅入られその香りを保管したいと殺人を犯す。
純粋に香りという概念が好きで主人公からは罪悪感や悪気といったものはかんじられなかった。彼と関わる人達は皆かねのためだったから心優しい人と接する機会がなかったんだね。かわいそうだと思ったけど、彼の所作や奥まで透けて見えそうな瞳はとても美しかった。
ダークな世界観と映像の綺麗さがうまく噛み合ってとても美しい映画だと思った。
物語が進むにつれて今まで関わってきた人物が簡単に死んでいくのは納得いかなかったな。悪者に描こうとしたのかもしれないけど。
この物語はおとぎばなしなんかじゃないぞ。
灰田

灰田