今作は前作の30年前に遡り、如何にして貞子は全人類に憎悪を向けることになったの過程を描いている。
物語的に貞子の生前なので心霊ホラーを期待して観ると肩透かしを食らってしまう。
寧ろ、人間に対しての心の闇に対しての怖さを描いている。
主に、嫉妬からくる妬みや恨み、そして集団心理の恐怖などだ。
元凶が貞子にあると確信した劇団員達の貞子を見つめる悪意に満ちた目は貞子よりも恐ろしく感じてしまう。
幽霊よりも真に恐ろしいのは人間の心の闇と突きつけられる。
また、今作では貞子の青春も描かれているが、悲劇的な最期を迎えることになる。
個人的には、心霊的な怖さより生きる人間の怖さを描いた作品の方が好みであり、報われる恋愛よりも悲恋な作品の方が好みなので、ある意味では1作目よりも好印象だ。
以上の点に関しては好きなのだが、登場人物の行動原理がおかしい点、物語の強引すぎる展開、ずさんな貞子の設定、無理やり1作目に繋げようとしている点など、致命的な欠点も多く見られる。
また、内容はいいのだがその描き方がずさんな部分も見られる。
内容的には好みだっただけに、これらの欠点が浮き彫りになってしまったのは残念でならない。