小学生の頃に親が買ってきた国語辞典。
中学生の頃には英語教育開始により購入した英和辞典や和英辞典。
高校生の頃には追加購入の漢語林や漢字検定2級合格の記念でもらった四字熟語辞典。
大学生の頃には法学部で毎年法改正に伴い購入させられたポケット六法。
通学時の鞄が重くて学校に行くのが憂鬱になったのは、
明らかにこいつらのせいだと思う。
そして僕は勉強が好きな方ではなかったから、
「舟に乗る」ことより「舟を運ぶ」ことがメインになっていた気がする。
三浦しをんさんの本屋大賞を受賞した原作の実写化。
辞書編纂という地味なテーマながら、
真面目で本が大好きな馬締くんの仕事に恋に生きる半生を描いた辞書エンターテインメント映画。
原作の良さは当然のこと、
その仕事にあたる空気感というか雰囲気を見事に表現した映画だと思います。
松田龍平や宮崎あおいやオダギリジョー、黒木華など俳優陣がタイプなので、
原作・脚本も演出もキャストも好きだと当然のごとくのめり込んでいきます。
この映画、
仕事に対する情熱であったり、
言葉と向き合うことの重要性であったり、
気にせず持ち歩いていた辞書の作られる過程や労力であったり、
色んなメッセージが込められている。
馬締くんの静かな闘志や思想が凄くかっこいい。
僕が通学の時に嫌々持ち運んでいた辞書が重く感じたのは、
それだけのたくさんの人の辞書への想いが込められていたからなのかなと、
持ち歩かなくなった辞書をたまに広げて想いを馳せる。
僕は気まぐれで舟に乗っていたタイプ。
その情熱を感じ取れなかった学生時代を少し後悔してしまった。
出会うことができなかった言葉たちにごめんなさい。
出会う努力、心掛けます。