ある意味、とことん現実主義のホン・サンス節が炸裂。
中盤以降の舞台が風光明媚な済州島となるのに、海こそ映るものの、わざとその日をロケに選んだんじゃないかという感じの曇天ばかりで、他の済州島を舞台にした作品のような美しい大自然の美は作品から一切排除されている。
この作品の主人公もやはり映画監督なのだが、これまで見た作品群の中で最もホン・サンス本人の恋愛観が込められているなあと思わせる。
女性キャラクターの描き方もとことんリアリティを追求しており、そこにロマンは存在せず。物語の終盤になって大きな要となってくる、主人公の元恋人のような、ある意味ドライな恋愛観を持つ女性って、実際、結構いるんだよなあ。某元有名卓球選手のイメージが、何故か自分の中ではチラついてしまった。
恋愛に対しての道徳観が欠如した男性を描かせたらピカイチのホン・サンスではあるが、実は女性の本音の描き方も上手いと思わせる作品。
当然、好き嫌いがハッキリ分かれるだろうね。
あと、チョイ役のハ・ジョンウが若い!!