コズモ

教授とわたし、そして映画のコズモのレビュー・感想・評価

教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)
4.0
いつも飲んでばかりのナンパ映画として極北の地点にまで到達したかにみえる今作。キャラクターも希薄。キメカットもなし。ドラマ志向とはほど遠い脚本。ズームもさして効果的に使われていなくて、、そうしたすべてに欠損があるにもかかわらず、人物はまさしく「そうでしかない」ように映る。世界が「そうでしかない」ようにも。それはリアリティーなどという言葉に回収されない高潔さを伴ってさえいる。ホン・サンスは映画的なるものの周縁で映画そのもののを更新し続けている。たとえ、観るものがラストの坂で女性の表情を汲み入れたとしても。
コズモ

コズモ