ちろる

次の朝は他人のちろるのレビュー・感想・評価

次の朝は他人(2011年製作の映画)
3.8
田舎に住むとある男が、久しぶりにソウルに滞在した数日間。
泣いたり、怒ったり、冷めてたり・・・言うなればしょーもないメンヘラ男の記憶の断片をつなぎ合わせたようなストーリーなのですが、ホン サンスの魔術にかかるとどうも味わい深く意味ありげに見えてくる。
モノクロの映像のおかげなのかがちゃがちゃな印象を持っていたソウルの街並みもノスタルジックでしっとりとした大人の街に見えてくる。
男が街角に佇む時の背景だとか、彼の視線の先だとか、台詞の1つ1つ、それに深い意味があるのかどうか分からないのに見ているこちらは意味を見出そうとしてしまった私がいた。ただきっと意味はない笑
酒を飲みよるが深まって男と女が見つめ合えば自然に心がざわついてくる。
でも次の朝は他人。
都会の日常とは結局そんなものなのだ。
街を歩けば知り合いに当たり、何故だか何度も何度もばったり会う人がいるけれど、そのにもそんな深い意味がなくてたまたまなのだ。
そんな男の淡白でもあり潔よさが何故だか心地よく腑に落ちてくる、不思議でハートフルでない都会のラブストーリーでした。
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