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ドコニモイケナイのいののレビュー・感想・評価

ドコニモイケナイ(2011年製作の映画)
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2001年の渋谷、19歳の女の子。何者にかなりたくて。何者にかになることを夢見て。路上で歌う女の子。もう、このドキュメンタリーは、なんといったらよいのか、言葉にしてよいものなのかどうか、ためらう。監督やカメラマンは、なんかないかな-映える良い子いないかなーって探してて、偶然出会ったんじゃないかと思う。その出会いから、その女の子が思いも寄らぬ状況になってきて、息苦しさと、見ていられなさがマックスに達してしまう。撮る側が心配に思う気持ちなどが、カメラ越しに伝わってくる。くすりの影響なのだろうか。うつろな瞳。もう地に足をつけていないような。またねと振る手。


そして、2010年の佐賀。


ドキュメンタリーを撮る側と撮られる側。いったん出会ってしまったら。それなりの関係を築いてきたとしたら。映画が完成させたその後はどうなるんだろうか。はい、これにて終了!となるんやろうか。その後も気になる。彼女にとって、ドキュメンタリーの主役になったことは、どういった意味を持っていくんだろうか。こうやって、わたしが色々考えてしまうこと自体も、なんだか自分自身が思い上がっているような気がしてきて、わたし自身に対していけすかなさを感じてしまう。題字のフォントが丸みを帯びた優しい文字であることが救いだと感じる。映画のタイトルは〝ドコニモイケナイ〟 
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