わしゃ駄目じゃった。
インフルエンザで寝込んでいる時にビデオで見ました。
かなり話題になったミュージカル大作だったわけですけど、ちっとも面白くありませんでした。
『ああ、無情』はパンを盗んで投獄されたこと、銀の燭台を盗んだにもかかわらず、司祭さんの計らいで許され、改心して市長さんになったところくらいしか知りません。
それだけの話かと思ったら、こんなに長いんだ。
でも、話がぶつ切れでよくわかりません。
脱獄囚のジャン・バルジャンがなぜ市長になれたんでしょうか…。(原作読めよ!ってか?)
ジャン・バルジャンのコゼットに対する思いが、正直、気持ち悪いです。
なんだか、可愛い女の子を自分好みに育てているだけのような感じでした。
唐突だけど、手塚治虫の『火の鳥』「クローン編」を思い出しちゃったりしました。
人物も魅力に欠けていました。
特にコゼットの恋人になるマリウスは、革命の覚悟も感じられないし、最後はコゼットと結婚してめでたしめでたしって、それで、死んでいった仲間に申し訳が立つんか!
そして、そして、大切な時代背景が見えてこないじゃないですか。
西洋の人間にはよく分かってることなのかもしれないけど、東洋の島国の人間には、フランス革命、それも七月革命から六月暴動までの社会情勢なんてよくわからない。
ジャン・バルジャンがどのような意味で聖人だったのか、マリウスたちが何を考えていたのか、まったくわからないから感情の移入のしようがない。
出演者は一流ばかり、ジャベル刑事のラッセル・クロウやマダム・テナルディエのヘレナ・ボナム・カーターは見事なはまり役だったんだけど、それ以外は生きていないような気がしました。
音楽もそんなに印象的じゃなかったし、とにかく残念な作品でした。
インフルエンザのせいかもしれませんが…。
2017/3/30 23:56
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