みりお

レ・ミゼラブルのみりおのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.8
何回観ても、心がちぎれそうなくらい感動して涙が止まらなくなってしまう。
「お前に出会ったことで、私の人生は輝いた」
なんて温かく、強く、愛に満ちた言葉なんだろう。

信念に生きる者は強い。
革命の思想に燃える若者たちや、罪人を一人たりとも逃さないと心に誓うジャベールは、強く逞しく、人生の一瞬一瞬を燃えるように生き抜いていて、その様には一種の憧れさえ覚えるほど。

ただ一方で、「愛は唯一信念を超える強さを持つ」ということを、この作品は教えてくれる。
愛に生きたジャン・バルジャン、マリウス、コゼットは、強さだけでなく柔軟さを兼ね備え、人生をしっかりと踏みしめながら生き抜いた。
明日を無事に迎えられるかもわからない、辛く苦しい時代。
もしかしたら思想に燃えて、命を手放すことの方が幸せかもしれない。
けれど常に正義と愛との間で迷い、正義に徹することのできない自身の罪を償うように、目の前の人を必死に助けてきたジャン・バルジャンの人生は、苦難に満ち溢れながらも、愛に包まれながら人生の幕をひき、一片の悔いもなく神の国へ飛び立っていった。

苦しみから解き放たれた神の国では、愛も信念もどちらも叶えられた若者たちが、高らかに人生を歌い上げている。
どの顔も輝き、希望に溢れており、その表情を見るとどちらが正しかったとか、第三者が評価しうるものではないと思う
きっとどちらを選んでも、それがその人にとっての生きる道。
信念に燃えて熱く散るか、自身の信念よりも大切に思える存在に愛を注いで生きるか、果たして私はどのように生きていこうか…と、改めて人生を見つめなおしたくなる作品だった。

そして改めて語るのが恥ずかしいほどだが、言葉で言い尽くせないほどの名曲の数々…
何度聴いても惚れ惚れして、心が熱くなる。
映画版キャストに対して、よくこれだけのことを所望したなと思ってしまうほど、ほぼ全編の台詞がメロディに乗せられており、囁くようなメロディが大きなうねりとなって体中が包み込まれるような合唱となって押し寄せてくるのが、本当に心地よい。
大学生のころ、片道1.5時間の電車の中で毎日毎日レミゼの曲をリピートしていたのも相まって、すべての楽曲を歌えるほどには好きだけど(笑)
中でもやはりエポニーヌの歌う「On My Own」が一番かな!
あ、でももちろん「One Day More」は捨てがたいし…
ともかく楽曲について語り始めると止まらないからやめとく!笑

ちなみに本作で1100Mark達成🌟
公開当時に母と映画館に観に行って、あまりに好きになりすぎて帝劇に通いつめ、なぜか韓国旅行の際も韓国版を観劇し、そのままサントラを買ってきた(収録されている曲は日本版と同じだろうに…笑)くらい大好きで、自身のミュージカル好きの原点とも言える作品なので、記念すべき1100Mark目に選びました💓
旦那さんの計らいで高齢の祖母をお家に招いて、親子3代で並んで鑑賞できたのもいい思い出♡
映画鑑賞のためなら…とボーナスつぎ込んで買った大画面テレビで観る映画に、おばあちゃんも喜んでたわ♡
いい思い出になりました🥰🥰

※観た本数を間違えるという致命的なミスをしてしまったためレビュー再投稿します💦
コメントいただいた皆さま、コメント返せていない上にレビューし直し…本当にすみません💦


【ストーリー】

パンを盗んだ罪で19年間服役したジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、仮出獄後に再び盗みを働いてしまうが、罪を見逃してくれた司教に感銘を受けて改心する。
やがて運命的な出会いを果たした女性ファンテーヌ(アン・ハサウェイ)から愛娘コゼット(アマンダ・サイフリッド)を託されたバルジャンは、執念深いジャベール警部(ラッセル・クロウ)の追跡を逃れてパリへ…
バルジャンとコゼットはやがて激動の時代の波に飲まれていく。


【キャスト・スタッフ】

*監督:トム・フーパー
『キャッツ』でみりぺでぃあ記載済。
本作でアカデミー賞3冠を成し遂げたのも納得✨
あの名作を2時間半に収めつつ、これほどまでに心を揺さぶる名作に仕上げたフーパーの技量は本物以外の何物でもない❣️
『キャッツ』(2019)で信じられないほどの酷評を受け、その後映画製作にかかわらない日々が続いていますが、また映画を撮ってほしいなぁ~

*ジャン・バルジャン:ヒュー・ジャックマン
『プレステージ』でみりぺでぃあ記載済。
ヒュー様については語りつくしたから、もうあんま書きたいことないから、これだけ言っとく。
うちの母は、ヒュー様が出る作品を観ると必ず「お嫁に行く」と1週間ほど騒ぎます(笑)

*ジャベール:ラッセル・クロウ
『マン・オブ・スティール』でみりぺでぃあ記載済。
本作出演キャストの中で、唯一歌唱力が酷評されたと噂のラッセルさんですが、私は好きだよ、この歌い方👍
歌ウマキャストに囲まれてプレッシャーの中で死ぬほど練習したと聴くし、だからこそ肩に力の入ったあの歌い方が、うまくジャベールのキャラにハマっていて、ジャベール不器用なほどまっすぐな生き方がしっかりと表れている✨
だからラッセルさんには、自分の歌にちゃんと自信を持ってほしいんだよなぁ~

*ファンティーヌ:アン・ハサウェイ
『ダークナイト・ライジング』でみりぺでぃあ記載済。
このときのアン・ハサウェイは、キラキラしたオーラも華やかさもすべてを封印して、本当に痛々しい女性になりきっているのが、逆にすごいと思う。
あの美貌とオーラで、どんな作品に出ていてもパッと人目をひいてしまう人のはずなのに、工場をクビになってからのファンティーヌは思わず臭ってきそうなほど汚らしい。
でもそこには母としての強さがしっかりと表れていて、命を燃やす美しさもある。
出演時間がこれほど短いながらオスカーを獲ったのには驚いたけど、逆に短時間ながらこれだけの印象を残す演技をしたことも評価されたんだろうなと納得👏

*コゼット:アマンダ・サイフリッド
『TIME』でみりぺでぃあ記載済。
本作出演当時26歳…いやいや10代に見える儚さと可憐さ❣️
私はエポニーヌの不器用な生き方がすごく好きで、エポニーヌ推しではあるんだけど、でもアマンダが演じるコゼットを見ると、マリウスが一瞬で恋に落ちたのもわかってしまう…笑

*マリウス:エディ・レッドメイン
『ファンタビ:黒い魔法使いの誕生』でみりぺでぃあ記載済。
何回観ても、私はこのあっついエディが一番好き😍
エディがもらう役って、どちらかというと弱々しくて恋に不器用な役が多いけど、一目ぼれした挙句ガンガン愛をアピールするエディが可愛すぎてもうたまらん💓

*テナルディエ:サシャ・バロン・コーエン
イギリス出身🇬🇧
ケンブリッジ大学で学ぶ傍ら、大学のアマチュア劇団で舞台に立っていた彼は、卒業後の1998年イギリスのTV番組『The 11O'Clock Show』でアリ・Gを演じブレイク。
その縁で2002年に『アリ・G』で脚本・製作総指揮を兼務しつつ映画デビュー
2006年の『ボラット 栄光ナル国歌カザフスタンのためのアメリカ文化学習』では製作・原案・脚本を手掛け、79回アカデミー賞脚本賞にもノミネートされています。
主な出演作は『マダガスカル』『ブルーノ』『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』など。

*テナルディエ夫人:ヘレナ・ボナム=カーター
『シンデレラ』でみりぺでぃあ記載済。
相変わらず憎たらしい役をやらせたら右に出る者はいませんな🤣
幼いコゼットの顔を拭くシーンなんか身震いするほどウザい!←褒めてるw

*エポニーヌ:サマンサ・バークス
マン島出身。
2007年にCDデビューし、その後舞台女優として『オリバー!』『キャバレー』『レ・ミゼラブル』に出演。
舞台上のサマンサが演じるエポニーヌを観たトム・フーパーが感銘を受けてキャスティングをしたことから、本作への出演が決定したそうです✨
2012年に本作で映画デビューし、その後2015年ころまで数本の映画に出ているようですが、本業は舞台のようで、2017年には『プリティ・ウーマン』でブロードウェイデビュー🌟
そして2021年には舞台『アナと雪の女王』でエルサを演じています。

*アンジョルラス:アーロン・トヴェイト
アメリカ出身🇺🇸
大学で声楽を学び、在学中に2003年に『レント』の全国ツアーにスティーブ役とロジャー/マークの代役として参加してキャリアをスタートしました。
そして『ヘアスプレー』で2006年にブロードウェイデビュー🌟
2007年頃から映画にも出演していますが日本未公開の作品も多く、2012年の本作が初の大型作品への出演のようです。
その後数本の映画に出てはいるものの、アーロンも舞台が本業で『アナスタシア』や『ムーラン・ルージュ!』など有名作への出演が続いており、2021年にはトニー賞でミュージカル部門主演男優賞を受賞しています🏆
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