ひろりこ

もうひとりのシェイクスピアのひろりこのレビュー・感想・評価

4.0
鑑賞記録&感想
【初視聴】
★監督・制作:ローランド・エメリッヒ
代表作:『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』『2012』『ミッドウェイ』etc.
★2012年度 第84回アカデミー賞(衣装デザイン賞)ノミネート。

「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「マクベス」・・・
あの名作を書いたのは別人だった─

エリザベス王朝の愛と陰謀が交錯する歴史ミステリー。

“シェイクスピア別人説”がモチーフ。
史上最高の劇作家ウィリアム・シェイクスピア。しかし、その生涯は未だ謎に包まれている。彼が残した戯曲37作品、ソネット154篇、物語詩数編、それらのすべては400年もの間、何一つとして見つかっていない。
もしかしたら作家としてのシェイクスピアは存在せず、作者は別にいたのではないか?であれば誰が?なぜ?

――𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲――
16世紀末、エリザベス1世統治下のロンドン。巷では演劇が盛んに行われ、人々を夢中にさせていた。しかし、女王の側近ウィリアム・セシル卿は芝居に民衆が扇動されることを恐れ、息子のロバート・セシルと共にその弾圧を強めていく。そんなセシルと後継問題で対立を深める第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアは、芝居を利用して政治を動かそうと目論み、代役を使って自ら書き上げた戯曲の上演を試みるが...。

まず、あのローランド・エメリッヒ監督の作品にこんな芸術的な作品があったのには驚きです。こんな立派な作品も作れるのですね。

ストーリーは終始濃厚で尻上がりに面白くなっていく感覚。
監督が最新VFXで16世紀のロンドンの街並みを再現しただけあって、物語は壮大なスケールで描かれていました。
衣装も当時の本物を使っているかの様なクオリティ。
オックスフォード伯エドワード(中年期)役のリス・エヴァンスは貴族の愛憎と数奇な運命を背負った伯爵を見事に演じてきっていたし、時のイギリス女王であるエリザベス1世を演じた(老年期:ヴァネッサ・レッドグレイヴ、中年期:ジョエリー・リチャードソン)、二人とも嫉妬深く妖艶にして威厳高き女王を熱演していました。
そして他のキャストたちも個々に素晴らしい!

観ていて戸惑ったのは、頻繁に今昔、同一人物が入れ替わるので何回も置いてけぼりをくらいましたね...
なので相関図を頭に入れてから観たほうがいいかも。

ロンドンで人気の劇作家ベンジャミン・ジョンソン(セバスチャン・アルメスト)と老年のエドワードのシーンがいちばん感動的でした。

謎多きシェイクスピアをほんの少しだけでも知ることが出来たので大満足です。

全てが重厚で中々の秀作だと思います。
是非また考察のために観たい作品ですね!
ひろりこ

ひろりこ