FREDDY

もうひとりのシェイクスピアのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

史上最高の劇作家であるウィリアム・シェイクスピアの、謎に包まれた生涯から生じた最大のミステリー「シェイクスピア別人説」を題材にローランド・エメリッヒ監督が手掛けた歴史ミステリー作品である本作は、エリザベス1世の治世する16世紀末のイングランドを舞台に、政治を批判した芝居を執筆したことで捕らえられた劇作家のベン・ジョンソンの視点から、宮廷内で激しく渦巻く"王位継承"を巡る政治的陰謀が、"ウィリアム・シェイクスピア"や"演劇"というものを用いて描かれた内容となっているのだが、まず触れたいのは、タイトルから察するに"ウィリアム・シェイクスピア"を題材とした作品ということはわかってはいたのだが、このアプローチで王位継承を巡る宮廷内の様子が映し出されている点は実に面白かったですし、名門貴族であるオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアを"本物のシェイクスピア"として見立てて描かれた物語もまた魅力的で、シェイクスピアが手掛けた数々の戯曲に見出された新たな一面には思わず頷かされましたね。ジェームズ1世が王位を継承するまでの過程もフィクションではあるが学べるものはありましたし、個人的には好きな一作。 リス・エヴァンスの演技も良かったですし、観て損は決してないかと。ただ、過去と現在を交錯させた構図には少々戸惑ってしまったことは否めないですが。
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