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ボス その男シヴァージのBaadのレビュー・感想・評価

ボス その男シヴァージ(2007年製作の映画)
3.6
某レンタルショップで準新作100円なりでレンタルしていたので、出来心で借りましたが、まあ、これが凄かった。

画面が揺れるのでテレビで見ているのに悪酔いして吐きそうになるし、画質が安っぽいし、これ本当に映画?と思っていると見たことのあるようないやここまではないようなベタな展開の数々。

そろそろ見るの止めようかな、と思い出す頃にダンスが始まって、それがなかなか凄い。
最初の踊りはバングラ(北インドパンジャーブ地方の踊り。)っぽいけど、タミルはどこが違うのかな、と気にはなったものの凄い人数のバックダンサーと美術さんの頑張りに圧倒される。
ラジニは『ムトウ』の頃より踊りに切れがなくなったような気がするけれど、ダンスの腕は若い頃はどうだったんだろう、と考える間もなく、次のダンスで相手役がヒロイン役の女優さんに変わるが、これがセクシーでなかなか本格的なインド舞踊。

でも、『ロボット』ほどではないけれどテロップで出る歌の訳詞が直訳で言い回しも直球すぎてひねりがないのに少ししらけて、ああ、ボリウッドとは文化が違うのだなあ、と思ってそろそろ見るのを止めようかと思うと、本格的に縁談が動く。

ダンスはさらにセクシーに目が離せなくなるも、話はあまり進まない、というところで主人公の事業が破綻してインターミッション。
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後半はインドの社会問題も扱った真面目な話で怒濤の展開。

でも、途中で挟まった結婚式のダンス。
いくらタミルさんがセクシーでも長いし単調だから少しぐらいはしょってもいいのでは?
それに、ラジニよりバックダンサーの方が体動いているし、アクションも大して身体張っていないし、構図はズーム大安売りだし、どこにお金使ってるのこの映画?
あ、セットと衣装とダンサーのギャラとラジニさまのアクションの動きのにぶさのカムフラージュ?

そういえば、南インドのタミル語映画って、本数は見てるけれど『ムトゥ』以外はマニラトナム系統の社会派映画しか見ていなかったことに気づきました。そっち方面も一応地味だけどきっちりしたダンスシーンが入っていたりはするけれど、ラジニカーントのシリーズもの的な娯楽映画は実質初めて。

というわけで、触れ込みよりはチープ感が目立つ映画でしたが、『ロボット』よりはテーマがストレートで見やすかったし、一応見ておくという目的のためには最適だったかもしれません。

でも、ラジ二の映画の日本向け劇場上映は短縮版だけでもういいかなと思います。この映画も前半の時間は30分もあれば十分だったろうと思うし、ミュージカルシーンの時間も半分ぐらいでいいし、ダンスは3曲ぐらいにカットして回想シーンでつないでくれた方が見やすいです。

ラストシーンのカードの意外な功用には目からうろこでした。

(いろいろと凄かった 2013/9/9記)
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