kuu

脳男のkuuのレビュー・感想・評価

脳男(2013年製作の映画)
3.6
『脳男』映倫区分PG12
製作年2013年。上映時間125分。

首藤瓜於の同名小説(既読)を生田斗真主演で映画化。
並はずれた身体能力を誇りながら、生まれつき感情を持たない殺人鬼『脳男』の姿を描くアクションサスペンス。
都内近郊で無差別連続爆破事件が発生し、犯行には舌を切り取られた女性の全身に爆弾を巻きつけた『人間爆弾』が使われとった。
正義感の強い刑事の茶屋は犯人・緑川のアジトを突き止めよるが、確保できたのは身元不明の男・鈴木一郎のみ。共犯とみなされた一郎は、その犯行手口の異常さから精神鑑定を受けることになり、担当の脳神経外科医・鷲谷は、一切の感情を表に出さない一郎に興味を抱く。
やがて一郎は本庁に移送されることになるが、その途中で緑川が護送車を襲撃。緑川と一郎は逃走してしまう。

本作品を観るまで、久坂部羊の『無痛』と印象がタブってましたが、『人間爆弾』で思い出し見始めました。
感情がないキャラ鈴木一郎 (a.k.a脳男)を演じとる生田斗真はかなり役にハマってた。
体はムキムキ過ぎずタプタプ過ぎず鍛えられていたし、感情があらへんちゅうヤツを表現するため一切瞬きしとらんし、動きのキレはあった。
野郎からみても美しさを感じたかな。 二階堂ふみもえらい役柄を演じてたし、中盤まではワっクワク・ドッドキしました。
ボッカァーンって爆発の描きかたも邦画にしては良かったかな。
ただ、後半はちょいアクションにしても空気圧が下がっていった感は否めないかな。
感情を持たへん野郎が犯したとされる殺人事件と、その男の精神鑑定中に起こる爆破事件との真相に迫る、という側面から見ればミステリーやろけど、ヒトちゅう容れ物に五感や行動様式・感情・思考を組み込んで製造された生物と、好奇心旺盛で共感性の強い精神科医との交流を描いた人間ドラマ、という側面も大きいかも。
むしろ精神疾患の特異な症例記録をたどっているようでもあったかな。


茶屋、曲輪、苫米地、緋紋家、
空身、別宮、入陶、赤岩、占部、浅黄etc。珍姓大集合✊。

これらはみな登場人物の姓です。
小説には『脳男』の続編である『指し手の顔 脳男ii』があるし、是非とも実写化続編を期待してます。

Twenty First Century Schizoid Man(King Crimson).

Cat's foot, iron claw
Neuro-surgeons scream for more
At paranoia's poison door
Twenty first century schizoid man

Blood rack, barbed wire
Politicians' funeral pyre
Innocents raped with napalm fire
Twenty first century schizoid man
 
Death seed, blind man's greed
Poets' starving, children bleed
Nothing he's got he really needs
Twenty first century schizoid man
 
愚訳 Kuu ことGeorge
キング・クリム ゾン
『21世紀の精神異常者』

猫の足 鐵の爪
脳神経外科医が”もっとだ”と叫び求める
妄想症にイカれた扉の前で
21世紀の精神分裂者

血塗れの拷問台 有刺鉄線
政治家たちが積み上げた火葬用の薪
罪無き人たちがナパーム弾に犯される
21世紀の精神分裂者

死の種 強欲な拝金主義
詩人たちは飢え ガキたちは血を流す
切望するものには決して届かない
21世紀の精神分裂者
kuu

kuu