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レッド・ライトのかずシネマのレビュー・感想・評価

レッド・ライト(2012年製作の映画)
3.1
OPクレジットの出し方が格好良くて好き。

このデニーロは色々な超能力を扱えて、3部ジョセフみたいに念写もできる、と。ハーミットパープル使いか。
そしてスタンド使い同士はひかれ合う、と。
まぁそれはともかく。
これは大真面目に、こちらは全体通してシリアスなTRICKの様な作品だった。
前半はいくつかの悪どいインチキ超能力者のトリックを博士と助手で暴いていく展開がメイン。どんと来い、超常現象。
後半はデニーロを探って暴こうとする事が一応メイン。
ちなみにTRICKでいう所の山田がキリアン・マーフィ。

某尊師みたいな写真が出て来た場面は思わず真顔になってしまったわ…。

デニーロの登場シーンが増えてからはそれが少し落ち着いた様にも思うが、全体的にエピソードとエピソードの繋ぎがイマイチだったと感じた。
さっきの場面はああだったのに、今どうしてそうなるのか?みたいに感じるシーンが多かった。
急なテレビの討論会出演シーンとか止められたのに突っ走ったシーン等は特にそう感じた。
色恋に関しても「学生に手を出すなよw」と思ったが、その前に、そもそもそんなに親しい関係が築けていた様には描写の限りでは思えなかった。
それは最後の方で協力してくれてた男子学生も同じ。描写不足と思う。
場面場面で話が分断されている様な印象。

只もしかしたら、上記したイマイチだと感じた描写の一部は「他に目を向けさせて本質を分からなくする」というトリックにかけてあって、わざとそうしてるのかもな、とも思う。
分かりにくい事には変わりないけどな。

伏線や伏線っぽいものは分かりやすくいくつもある。
そもそも自分はこちらを「TRICKの様だ」と思いながら観ている。
なので、作品のオチに関しては観ていて何パターンか予想していた内の1つが正解ではあったんだが、その落とし方が雑だったと思う。
オチ(動機)自体はそのままでいいんだけど、あの描写だけだとヤケクソを起こしたみたいにも思えたし、人を助けられず自分を肯定できなかったのも単に要らぬプライドがあっただけの様に思えたし、そのおかげで「結局は何を優先したかったのか」が分からなくなる。
中途半端な様に見える。
劇場が大変な事になってた時の画はモブサイコっぽくて好きだったけど。

そして、ある人物を除いた他の人の事が投げっぱなしなのも気になった。
あの場所に付いて行った人もそこを出る時に居なくなっていたし。
あの後色々どうすんねん…。
というか、結局会見には間に合わなかったのか??
というか更にその前に、1番疑わなくちゃいけない事を最後の方で2人が疑うまで誰も疑っていなかったのは何故なのか…。

この手のジャンルは個人的に好きだし、雰囲気はずっと良かっただけに、色々と物足りなくて少し残念だった。
この出演陣と題材であれば、もう少し話の運び方がスムーズで且つ綺麗に落とせていた方が望ましい。

デニーロの演技はいい感じの胡散臭さや怖いラスボス臭がしていたので、大衆や周囲のお付きの人から持て囃されて調子に乗ってる描写や、彼のカリスマ性を訴える様な超能力を見せびらかしている描写がもっと欲しかった。
もっと空飛んでて欲しかった。(?)
というか、ペテンだろうとそうでなかろうと、どっちみち普通にデニーロの方が強そうなんだもんな。
ある意味ミスキャストなのかもな。

シガニー姐さんも出番がもっと欲しかったし、エリザベス・オルセンも出番がもっと欲しかったし。
シガニー姐さんがインチキを暴いていく事にしたそもそもの動機がとても好きだった。
キリアン・マーフィも勿論良い演技だった。
ペンを唇にぶっ刺しシーンは、カフェにいた他のお客さんの反応含めてフフっとなった。
トイレへ顔ぽちゃんは絵面が生理的にキツかったわ…。
つまり演者は皆良かった。


序盤と中盤に出てきたけど、ああいう講義を受けるの普通に楽しそうやなぁ。
ええな。
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