りり

マーサ、あるいはマーシー・メイのりりのレビュー・感想・評価

2.8
カルトに狂信的になる心理とか、洗脳やマインドコントロールって本当に怖いなと思うのでそういう要素のある映画はよく見てしまう。怖いもの見たさなのかもしれない。
カルトの共同生活から逃げてきた女性が、姉の家にたどり着いてひと安心と思いきやマインドコントロールや心の傷は色濃く残っており、徐々に精神の均衡を崩していく様子を描いた作品。
淡々と静かに物語が進むので割と退屈なのだが、カルトでは入団者に新しい名前をつけてこれまでの己と訣別させたり、性差別を当然のものとしたり、独自の倫理観のもとで反社会的な行動を正しいと思わせたり、マインドコントロールの描かれ方としてはかなりリアルに思えた。
主人公のような人は本来ならきちんとしたケアのもとでゆっくりとマインドコントロールを解いていかないといけないのだが、この映画では主人公がカルトにいたことを誰にも告げなかったので(かなり悪いことしたしね)、周りの人の理解も得られず悪化してしまうのが痛ましかったし、姉の元も居心地が悪く孤独だしなんか結局またカルトに戻ってしまいそうな危うさもあった。
りり

りり