吉良吉影

ムーンライズ・キングダムの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

9月公開の『アステロイド・シティ』に向け、ウェス・アンダーソン監督を予習。キャストが豪華でかなり楽しみだったので、どんな監督なのか気になっていた。
本作はボーイスカウトの少年が少女に恋をしてしまい一緒に失踪を図り、周りの大人達を巻き込み大事になるドタバタなコメディである。かなりシュールで笑えるシーンがあったが、子供達が大真面目で微笑ましかった。
画が人工的に感じた。それほどまでに、完全なるシンメトリーで整合されていたので映像美が凄かった。その上にまるでミニチュアかのようなセットがアクセントとして印象に残り、絵面に拘る几帳面な監督なのが分かった。カメラの横移動ショットが印象的で、オブジェクトの配置も相まって直線的な映像であった。
しかしこれだけに収まらず、露骨なCGで映像にコメディさを足している編集へのこだわりが良かった。
ここまでに明確に美術館のように画を楽しめる映画はなかなか出会えないだろう。
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