Melko

ムーンライズ・キングダムのMelkoのレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.7
大体ハズす、最後のちょい足し1本映画が、久々自分には当たり。

ジャケットの可愛さで借りたけど、なかなかに切ないテーマを扱っていた。
ウェスアンダーソンの映画はブダペストホテルの時にも思ったけど、ホントに色の使い方が独特で素敵だな…

この映画の主役は子供。
大人たちは、ずっと子供たちに振り回される。
ませた子供2人が駆け落ちして小さな島中を引っ掻き回すストーリー。
駆け落ちした当人たちは至って真剣。
2人で知恵を絞ってキャンプしたり、
子供らしく絵本を読んだり、大人みたいにフレンチキスしたり、愛を育む。

でも所詮は12歳のカップルのままごと駆け落ち。すぐ大人に見つかるし、どやされ引き離される。

2人それぞれに抱えた悩みや苦しみがあり、自己表現の一つとして大人に反抗する。

懐かしい気持ち。
こんな時が自分にもあったな、確か。
冒険が好きで、なんでも大袈裟に考えて
小さな事で悲観したり嬉しくなったり。
「そうだ、もう結婚してしまおう」
なんて軽く宣言できるのも、子供の大胆さならでは。

振り回される大人それぞれにも抱える秘密。
今まで見た中で一番言葉少ななブルースウィルスが、今までとは違い、落ち着いた哀愁のある、でも不器用な大人の役で渋かった。
最後は、大人らしい、いい仕事をしてくれた。

子供は、大人が思う以上に、大人なんだ。
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