みーちゃん

王になった男のみーちゃんのレビュー・感想・評価

王になった男(2012年製作の映画)
3.0
突っ込みどころは満載だけど、この短い尺で、この有りがちな脚本で、ここまでちゃんと魅せるのは、間違いなくイ・ビョンホンだから。シリアスなのかと思いきや、コミカルなのも、意外で楽しかった。

韓国時代劇の服飾は素敵だなーと、前から思っているから、オープニングの王様の朝の身支度シーンが嬉しかった(衣裳は勿論、ヘアスタイリングも、お香も、リアルな描写がすごく好い!)。日常的、且つ、舞台裏である"身支度"などという事柄の完成までのプロセスが、あんなに意味深に、魅惑的に成り立つのは、間違いなくイ・ビョンホンだから。本作の醍醐味である一人二役ならではの色々な表情も、ずっと見ていられる。

ここにあらすじは書かないが、中盤を面白可笑しく盛り上げること自体は簡単だと思う。だから、このドラマの着地点に注目したが、何と言えばいいか…当たり前ことを、当たり前に描いているのに、自然体で受け止める事ができた。そして、ちゃんと納得できた自分に、逆に驚いた。これも、間違いなくイ・ビョンホンだから。

一点だけ、シム・ウンギョンちゃん演じるサウォルの件は、ストーリー上、やむを得ないとしても、卜部将の件は、やり過ぎだと思う。彼だけは違う結末の方が、私は良いと感じた。