波野なみ松

王になった男の波野なみ松のレビュー・感想・評価

王になった男(2012年製作の映画)
3.5
朝鮮王朝版「王子と乞食」かと思って見ていたけれど、偽者がだんだん名君になっていく様が面白くて引き込まれてしまった。一人二役ではあるけれど、本物の出番は少ないので、演じ分けの上手さというより、「身分の低い男が王様の演技をしている演技」の上手さが見所。コミカルなしぐさや表情、隠そうとしてもふと表れる品のなさ、それでも溢れてくる人間的魅力、王妃に対するほのかな愛情など、イ・ビョンホンの演技力に感心。
さて、韓国ドラマを見てても思うけど、朝鮮王朝の身分制度ってほんとにひどい。日本の士農工商どころじゃない。だから、影武者として頑張ってくれた人を、身分が低いくせに玉座に座ったとして殺す、という発想になるんだろう。そういう階級社会の名残が、今はないかどうかが気になる。
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