肩書きや仕事は関係なく、大切な人のヒーローであることが重要だというメッセージが込められた作品。
ラルフが悪役を演じることで成り立っていることすら分かっていない「Fix it Felix」のアパートの住人は、思考停止で人を叩く大衆のようにも捉えられ、相手の立場を理解し、尊重し、歩み寄ることが大事だと思った。(フェリックスは仲裁してくれてもいいと思うが)
ヴァネロペもゲーム内でハブられるポジションであり、除け者だからこそ通じ合えたラルフとヴァネロペの友情は、より強い絆で繋がっていると感じられた。似た境遇にあるからこそ躊躇わずヴァネロペのために犠牲になることを選ぶラルフと、諦めずに最後は助けてくれるヴァネロペの関係はまさしく相互ヒーローであった。
ヴァネロペの虐められっぷりによるストレスとその理由の解明は、物語が進むにつれて募っていき、ヴィランの撃破によって大きなカタルシスをもたらす。
ゲームの世界ならではの設定や小ネタを存分に活かし、一時も飽きることなく楽しめる作品だった。