映画初心者

夜ごとの美女の映画初心者のレビュー・感想・評価

夜ごとの美女(1952年製作の映画)
3.4
フランス喜劇。この作品と言えば、日本だとウルトラセブンの実相寺監督回と共に語られるものですが初鑑賞。夢の中で「美しかったあの頃」へとタイムスリップする内容。喜劇なので重苦しさは無くライトな一方で、全体的に浅さを感じました。ただ、流れるようなシーン変化が良かった。

オペラ音楽家になりたい音楽教師。うまくいかない現実、希望のある夢が交互に描かれる。次第に夢は要素が混ざり合いカオスになっていく。主人公が悩む展開が多いものの、最後には大成功ですし、喜劇としてライトな作品。
設定として「現在は良くない、昔は良かった」という考えからどんどん昔に戻っていくのが面白い。近世、中世、ローマ、原始時代と様々。ラストあたりの歴史がぐっちゃぐちゃな感じが印象的。

この作品はとにかくシーン変化だと思いました。現実から夢に入る、夢から現実に戻る時にはカメラを横や縦に回転してシームレスな変化が良いと思いました。
アクションカットも良く、Aという人が歩き、次のカットでBという人が同じ方向で歩くことでカットを割っても連続性がうまれる。

コメディとして印象的なところは、騒音によって聞こえない状態で会話が繋がらなくなるところですね。良いところで毎回騒音が起き、会話がチグハグになってしまう。

夢のシーンでは比較的作り物らしいセット。今敏監督のように、現実か夢かがわからなくなることは無かった。

【総評】
ぼちぼち...って感じですかね。喜劇らしいですが浅さを感じました。ドタバタコメディが好きな人は好きかも。カメラの回転やアクションカットによってシーン変化するところが面白い。
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