初めてのルネ・クレール作品。
現実と夢の世界の境目を、カメラが乗り越えるところの演出が面白い。どの時代に行っても年配の人が「昔はよかった」と言ってて、主人公もどんどんさかのぼる。各時代がフランスの歴史の節目になっていて、あまり詳しくはないけど興味深い。そして時代がごっちゃになってカオスになっていく後半のドタバタは面白かった。みんな書いてるけど、後ろ向きに走る馬が強烈に印象に残る。笑
現実世界で主人公をサポートしてくれる幼馴染たちの存在もよい。
ところどころでミュージカルになるのも華やかでよかった。
おそらく「ミッドナイト・イン・パリ」は本作をベースにしてるんだろうけど、映像的な遊びではこちらが上手。
途中で「20世紀になったら僕らは安全で仲良く暮らせるのだろうか」と言ってるシーンがあって、全体コメディ調の中でもハッとさせられるシーンだった。