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5windowsの8637のレビュー・感想・評価

5windows(2011年製作の映画)
3.5
サンクスシアター、ラスト1本。どうも知ってる町だなと思っていたら、横浜の黄金町だった。
その町にあるシネマ・ジャック&ベティには自分も数回行った事がある。土地勘の弱い僕は地図を見ても何故か遠回りで歩いてしまい、定刻のギリギリで到着したこともあった。

そんな端的な迷路のような町で、染谷将太が自転車を漕ぎ、長尾寧音がそれを記録して、斉藤陽一郎はただ眺めてる。
ただ一人、出会えないのが中村ゆりか。確かにその空間に居るのに、サンダルを投げて助けを求める彼女を救い出せない。そして、そんな彼女を少し慰める音楽たちとクライマックスへ向かっていく。全てを話してもこんな感じ。

やはり瀬田なつき監督に"時間"を撮らせては駄目なのではないか。二十数分間かけて語られる"14時50分"という一分も、幾つの世界線から構成されているのかが判らず楽しめなかった。
「僕のいる町」と「私のいる町」、ストーリーテラーが変わるだけで映画の主観や持っている感性がこうも変わるとは。ただこれも結局、他人の見えない町でどうも独りよがりになっているように感じた。

こんなに面白いことしてるのに、こうもハマれないとはなぁ...
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