どうにもオチが「愛国者法に対する皮肉を痛烈に喰らわせる」という雰囲気全開な方向に収めたい感じなのがジョン・グッドマン演じるATF捜査員の取った行動と上手く絡み合ってない印象はある(=イマイチ感情移入出来ない)
ただし、その皮肉をコメディとして描いているなら納得出来る感じではある。
(訴えている内容自体は良いと思う)
しかしソコに至る道中が低予算ながらにゴリゴリの銃撃戦なのでソッチ(コメディ)に脳が切り替わらない…ってか"切り替わりにくい演出"という印象だった。
思ってたのと違う!と のけぞる様な途中からジャンルが変わるタイプの作品なのだけど、チョイとこの話の落とし方、ワシ的には落ち着かない。
相手側は完全に狂信的な保守の中でも過激さが目に余るレベルのキリスト教。
恐怖を感じる団体である事を観る側に感じ取らせる序盤の演出は良い。
しかも 《カルトvs ATF》という構図をシンプルな勧善懲悪にしていない辺り、やたらと期待に胸膨らむ感じでテンション上がりまくってしまった。
とにかくエクストリームなストーリー進行に対してあのオチが受け入れられるか否かが好き嫌いの分かれ道であろう。
ちなみにFilmarksでも書かれている方をお見かけしたが、色々と検察していたら監督が本来やりたかったエンディングをアニメを使って説明している動画がYouTubeにあると知り早速見てみた。
(ちなみにワシが見た物は字幕付きだが、そのまま読むと自動翻訳の限界を知るレベルな意味不明っぷりなので、要所要所を拾いつつ動画と合わせて要"脳内変換"である)
ナルホド、もしそのオチになっていたら あの捜査官の決断や行動とも収まりが極めて良い。
ただ映画としては『とんでもカルトムービー化間違いナシ』だった事は断言出来る!
ワシはついて行けなかっただろうな…とw
サスガにこの映画内の団体は行動が"過激"というレベルすら超えているが、昨今では宗教に限らず活動家や団体には狂信的であるがゆえに相反する思考の者を人格すら否定するレベルで叩き、己の主張を是とする物言いをする者達がネットの発達に比例して増えている様に見える。
(まぁ可視化しやすくなっただけかもしれんが)
今の世の中、この作品における'銃火器'を「言葉」に置き換えると
《そこら辺で良く見る光景》
なのかもしれない。
映画としての〆かたこそ落ち着かなかったが、中々のブッ飛び系で基本的には好きな方に入る作品。
見様によっては2020年代になっても盲信する事の恐ろしさに対する痛烈な皮肉は伝わっていると言える。
あ!
そうだ。
ちなみにこの作品、Googleで検索するとホラー/スリラーと出て来るんだけどね。
イヤまぁ確かに銃撃戦としては若干ゴア寄りなハードタイプだけど、コレを"ホラー"と言うには超激弱っていうか"違う"まで言って良いと思うけどなぁw