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レッド・ステイトのBaadのレビュー・感想・評価

レッド・ステイト(2011年製作の映画)
3.8
ジェイ&サイレント・ボブが大好きで、ケヴィン・スミスの映画はほぼ総て見ているつもりでしたが、クラークスII以降の映画はこれが初めて。

いつものコメディーではなくホラーに進出かと思ったら、この人の根っこにある地に足の着いた性格とアメリカ人らしからぬバランス感覚のある冷静さが災いしてかドキュメンタリータッチの社会派コメディーになってしまっていました。
なんか、神と天使の血で血を洗う戦いがカルト教団とATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)の血で血を洗う戦いに変わっていますが、これ、本当は『ドグマ』の続編のつもりだったんじゃないだろうか?

英語版のwikiによると、終末のラッパの鳴り響くシーンの後は総て爆発で処理するのが当初の企画だったとありましたが、その流れだとするとあり得ない話ではありません。

天使でもムカつく(ドグマ)→
神は人間にムカついている(レッド・ステイト)

ね、つながってますよね?

多分内容は企画の原案から大幅に横道にそれてしまったんでしょうが、それでも結構見られるのが凄いというか、ケヴィン・スミスって何者なんだろう。

よほど資金が集まらなかったと見えて『世界で一番パパが好き』と同じ監督の作品とは思えない程チープな仕上がりですが、こっちの方が私はずっと面白かった。

タイトル『レッド・ステイト』は共和党支持者が多い州という事ですが、監督はカトリックですよね。なんでこのタイトルにしたのだろう。でもイーストウッドみたいなリバタリアンということでもなさそうだし、ベン・アフレックと友だちだし。よくわからないなあ。

判らないついでに色々調べてみたら、ジェイ&サイレント・ボブのポッドキャストとかもあるみたいで、まあ、現役のアメリカ人映画監督としてはめずらしくまともな人みたいでもあるので、もう一度、ちょっと追いかけてみたいという気分になりました。

付記:ジェイ&サイレント・ボブはケヴィン・スミス監督自身と幼なじみのジェイソン・ミューズが演じる二人組のとぼけた擬似コミック・ヒーローで、ケヴィン・スミス監督の映画のほとんどに登場しますが、この映画には登場しません。

(久しぶりのケヴィン・スミス 2013/5/4記)
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