ユースケ

レッド・ステイトのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

レッド・ステイト(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「人類の滅亡を早めているのは同性愛者です!なぜなら同性愛者は子供を作ることが出来ないからです!ニューオーリンズがハリケーン・カトリーナの被害に遭ったのも、タイがスマトラ島沖地震で津波の被害に遭ったのも、全て同性愛者の仕業です!聖書では殺人を禁じていますが、同性愛者は人間ではなく虫ケラなので処刑してもいいのです!それは聖書に書かれています!それは神の意志なのです!」
byアビン・クーパー牧師(マイケル・パークス)

自民党の杉田水脈衆議院議員の「LGBTは生産性がない」発言を聞いて思い出した本作は、GUN(銃)×GOD(神)×GAY(同性愛者)というアメリカの抱える3G問題を描いたブラック・コメディ。

とにかく、何でも聖書の引用で片付け、説教をかますマイケル・パークスや説教を鵜呑みにするメリッサ・レオなど、神を本気で信じる危ない目をしたキリスト教原理主義者のイカれっぷりが素晴らしい。編物をウージーに持ち替え、「ゲスどもが!」と叫ぶババアがたまりません。

更に、ホモ保安官の人質誤射で唐突に始まり、特殊部隊の人質射殺の直後、黙示録ラッパのいたずらで呆気なく終わる銃撃戦から、刑務所にぶち込まれたホモ嫌いの牧師がごっつい囚人のイチモツをケツにぶち込まれる事を予感させるラストシーンまで、皮肉が効きまくったクライマックスの展開も必見。

ちなみに、ブランチ・ダビディアン事件やウエストボロ・バプティスト教会の活動など、キリスト教超原理主義者のイカっぷりは映画の中だけではありません。
タイトルの【レッド・ステイト】は共和党支持者=キリスト教原理主義者の多い赤い州の事。アメリカの内陸部は真っ赤っ赤だ。

信じる者は怖ろしい…