ボブおじさん

カリフォルニア・ドールズのボブおじさんのレビュー・感想・評価

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)
3.8
監督は「何がジェーンに起こったか?」「ロンゲスト・ヤード」など男性アクションや異常心理ものなどで知られる名匠ロバート・アルドリッチ監督。残念なことにこの映画が遺作となった。「刑事コロンボ」でお馴染みの名優ピーター・フォークが、プロレスでひと山当てようと目論むいい加減なマネージャー役を好演😊

〝カリフォルニア・ドールズ〟はやる気とルックスはあるが、人気はいまいちな女子プロレスのタッグチーム。ふたりを導く老マネージャーと共に、あてなき巡業の旅を続ける。

時には泥レスリングの試合をやらされ泣きぬれることもありながら、チャンピオンになる夢を諦めず、徐々に人気も実力もつけていった。そしてふたりは無念と屈辱を晴らすべく、リノでのチャンピオンシップで凄絶な試合を展開する。

ヒロイン2人と対戦する日本人プロレスラーとしてミミ萩原とジャンボ堀が出演しているのも、自分の様なオールド女子プロレスファン(少ないと思うが😅)にはたまらない。

また、悪徳プロモーター役でバート・ヤングがいい味を出しており、「ロッキー」シリーズのファン(こちらは多いと思う😊)も楽しめる。

おんぼろシヴォレーで中西部を移動して、安モーテルに泊まりながら試合して、日銭を稼ぎ、内輪もめしていつか晴れ舞台が来るのを夢見る。

スターも出ていないし、脚本も演出もツッコミどころは多いが、何故か繰り返し見てしまう女子プロレスラーたちの挫折と栄光を描いた愛すべき物語。

停滞と、やがて訪れる抑揚のコントラストが素晴らしい。見終わった後、晴れやかな気持ちになり、思わず拍手したくなるお気に入りの作品👏