Bellissima

あの娘が海辺で踊ってるのBellissimaのレビュー・感想・評価

あの娘が海辺で踊ってる(2012年製作の映画)
4.0
『あの娘が海辺で踊ってる』@オーディトリウム渋谷

アイドルに憧れながらも海辺の田舎町で何もできずに鬱屈している女子高生を中心に男女4人の高校生が織り成すひと夏の物語。

これはなんだ?ちょっとした逸材の誕生に立ち会った感じ。「へたうま」は達者な人が意図的に下手にシフトダウンする事で生まれる要素のもの。じゃあこの映画はなんだろう。「うまうま」の精度の高い手練でもなく。「うまへた」下手な人が上手く見せようと誑かしたもんでもない。「へたへた」1番しっくりくる。褒めてますよ勿論。「へたへた」それも無意識過剰なまでに。故に後ろ髪を引かれる思い。

本作と同時上映の短編にある種のサンプリング・スポーツを感じる。邦画の新たなる夜明けを。自分が良いと感じたもののエッセンスを全て飲み込んでしまう胃袋の大きさ、それを血肉に変えてしまうあっぱれな消化能力。山戸結希監督 見かけは非アグレッシブな方なんですよ。こうゆう人から真のアートフォームは生まれる。ロックは死んでない。色んなものの色んな可能性を考えさせられる一作。

上映終了後監督と前野健太さんの対談。前野さんの曲が本編で無断借用された事が対談のテーマ。前野さんかなりの腕まくり状態で臨むも山戸監督の天然素材ぶりに加え、かなりの危険球を投げる確信犯(?)であることに苦笑の連続 前野さんあえなく脱輪。こうゆう人は世間の評判・評価を聴き入れないで、ひたすらマイペースでやってください。応援します。

短編「 映画バンもん!~」が凄かったな。21世紀ですよね、今。と問いかけたくなる代物。もともと30分あったものを6分にしたらしく濃度が増してるんでしょう殺傷能力の。30分には付合えんよ、30分には。まいった。ネスクトレベルに突入中。
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