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テッドのHIROのレビュー・感想・評価

テッド(2012年製作の映画)
3.8
いつまでも大人になりきれないジョン(マーク・ウォルバーグ)とFワードを連発する過激なテディベア・テッドの交流を描いたお話。

とにかくテッドが可愛いらしい作品でした!
意思を持ったぬいぐるみが活躍するなんて、聞いただけでワクワクするし、人間との友情まで描いているというのも最大の魅力。
ジョンとテッドのいつまでも大人になりきれないようなどうしようもないアホな掛け合いは面白いし、ちょっと羨ましい気持ちにもなりました。
何年経ってもくだらないことで笑い合える親友がいることは幸せだと思いますね。

テッドはとても魅力的なキャラでした。
とてつもなく過激なことを言ったりヤったりしてるんだけど、愛らしいビジュアルのおかげでとてつもなく可愛いんですよね。顔射のくだりはちょっと引いてしまったけど、コールガールとイチャイチャしたり、マリファナを吸ったり、なかなかのダメっぷりは好きでした。
また、世間に普通に受け入れられて一般市民として生活しているところも絶妙に面白かったです。特にスーツを着て就活する姿は可愛い過ぎて悶絶しましたよ。
就職したスーパーの店長になぜか気に入られて出世していくところも好きでした。
スーパーの倉庫でテッドが同僚の女の子とセックスするというスーパー羨ましい描写も登場したけど、あのモフモフな身体のくせに何をどこに挿れるのかとても気になりました。

ジョンは恋人ロリー(ミラ・クニス)のために大人になろうとするんだけどなかなかうまくいかない。親友であるテッドと別れるのは辛いに決まってるし、自分の好きなことだってしたいはず。
恋愛は二の次に趣味ばかりを追い求めている現在の自分に通じるものがあってちょっと共感できましたよ。

そしてジョンとテッドのケンカシーンの迫力は流石でした!
生身の男が素手で殴り合っているような生々しい打撃音が鳴り響くところは最高でした!

ただ、物語を通してジョン自身が成長したように見えなかったのは残念でした。
テッドはジョンのために距離を置こうとしていたし、ロリーは結局今のジョンを受け入れてあげようとしているように見えたし、結果ジョン自身は何も成し遂げていないと思うんですよね。
ジョンよりもテッドやロリーが大人になったように感じました。

くまモンとか、星一徹とか、熊んこなどの字幕はかなり違和感があったような気がしないでもなかったけど、アメリカでしか伝わらないギャグを何とか日本でも笑えるようにしているようで、字幕監修の苦労が伝わって来ました。
また、ロリーの上司レックスの末路を説明するナレーションは結構笑えたけど、実際の訳は最悪らしいので、今作における字幕の意訳はかなり良かったのではないでしょうか。

マニアックすぎるギャグを放り込み過ぎているが故にアメリカではあまりウケていないらしくてセス・マクファーレン監督の笑いのセンスは冴え渡っているとは到底思えないけど、字幕の工夫のおかげ全体的には愉快だったと思います。
とりあえず心からテッドと友達になりたいと思ってしまう作品でした。
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