shun

空気人形のshunのレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
4.2
是枝監督だしペ・ドゥナ主演ということで前から観たかった映画、アマプラ終了前に観れました。

「心を持つことは切ないことでした」
心を持ったラブドール、中身は空っぽ
結局私は性欲処理の代用品?

映画全体に「役立たず」「代わりなんていくらでもいる」「ゴミ」というような言葉が散りばめられています。
大量生産&大量消費の現代で「心を持つ」ってどういうことなんだろう

園子温監督「紀子の食卓」中のセリフにあった言葉を使うとしたら「太い輪郭線」なわけだけど、目まぐるしく動く世界で自分とはどうして存在しているのか?
そんな世界で誰かを満たすことなんて出来るのか?
考えさせられました。

主人公に限らず結局皆心はぽっかり空いていている。
ちょっとずつ影響し合う群像劇っぽかったです。

ペ・ドゥナが上手くて美しい。体はほんとに人形みたいだし少しカタコトの日本語でちゃんと雰囲気が作られてる。
綺麗な心の持ち主であるが故に全てが新鮮で同時に危なっかしい。

他の是枝作品にも無い、独特で涼しい空気感
なんだか寂しくて切なくて、でも観てよかったな
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