パリ13区もかなり良かったので、私はこの監督が好みなんだろうなと思いました。
マリオン・コティアールはもともと大ファンなので、マリオン目当てで見ましたが、主人公はマリオンではなかった。
この主人公のキャラクターがとても面白い。
こんな男の人、意外にほんとにいるんだろうなと思ってしまうのは、この俳優さんの演技がとても自然だったからです。
全くもって非常識かと思えばまなざしは純粋で、普通にできる我慢ができないし欲望のままでありながら嫌味がない感じ。どうしようもないけど愛すべきキャラクター。
障害者となったマリオンに対し、「泳ぐ?俺は泳ぐよ」みたいなこと言ってさっさと泳ぎに行くシーン、目が洗われるようでした。
マリオン・コティアールは相変わらず素晴らしくて…マリオンが障害を受け入れていく過程の描き込みが薄い気もしますが、マリオンがシャチと水槽越しに交歓するシーンはとても美しく、心に残ります。
パリ13区と本作と続けて観て、総じて希望を描こうとしているような、ジャック・オーディアール監督という人間の優しさを感じました。なんか新しいフランス映画という印象です。