愛憎スキャンダルと政治家という組み合わせなので、わかりやすい悪のいる物語かと思いきや、誰をも憎みきれない味わい深い余韻を残す作品だなぁと思いました。
勧善懲悪でないので爽快さには欠けるが、酸いも甘いも噛みしめる大人の男のドラマとして魅力的でした。
公開当時タイムリーな原発問題、そして顔の見えない市民の、善意による暴力など、社会問題にも目配せしているのは前作にはない要素がありました。
政治家を守ろうと勝手に立ち上がった市民たちは、マスクで顔を隠している時はとても強気だが、マスクを取られた途端弱気になって謝りだして、まるで匿名の時だけ強気なネット民のようだなと思いました。