韓国映画をもう1本。
こちらもたまたまですがオ・ダルスがチョイ役で出てました。
韓国映画ですが、バイオレンスもアクションもない、高齢者の恋愛や友情を描いた物語です。
ひょんな事から出会ったおじいさんのマンソクとおばあさんのソンさん。
マンソクは口が悪く感じの悪い性格悪そうなんですが、困ってる人を放って置けない優しさがあって、そんなマンソクの本当の良さを感じて、身寄りがなく廃品回収をしながら慎ましくひっそりと生きてるソンさんも互いに気になる存在になってくんですね。
もう1組は、駐車場の管理人をしてるおじいさんグンボンは、認知症の奥さんを介護しながら生活してて、いわゆる老老介護というやつです。
子どもに戻ったような手のかかる奥さんだけど、とても大切にしててて、その夫婦愛がとても美しいんです。
人生の黄昏時を愛する人と穏やかに過ごしたい。
だけど、近いうちに別れの時がやってくるという現実や、高齢者が社会から取り残され、生きづらくなってる現状もあり、見ていて切なくなります。
OECD加盟国の高齢者の貧困ランキングでは、1位が韓国で日本は4位だったというニュースも聞きましたが、社会保障が不十分なため、いつまでも働かなければ生活できなかったり、年金や生活保護も額が少なかったり、そこは韓国も日本も同じ問題を抱えているようです。
家族に介護が必要になった時、社会のサポートがあるかどうかでは全然違って、グンボンのように一人で抱え込んで絶望することにはならずに済んだのでは…と思います。
いくら友情があっても、自分も年老いた身で先がどうなるか不安なのに、認知症で病気もある妻の介護をひとりで抱えなければならなかったら…と思うと、とても悲しくなります。
ソンさんのように、韓国のおばあさんで字が読めないという人もいて、戦争や貧困に喘いだこの世代の人達の苦労も描かれていて、だからソンさんがこの歳になってようやく幸せを感じられるようになり、習いたてのぎこちない文字でマンソクに伝えた言葉がとても温かく愛おしかったです。
派手なアクションもなければイケメンもいないけど、高齢者の恋愛を味わい深く描いていて良かったです。
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