ジャックナイフを配信している動画配信サービス

『ジャックナイフ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

ジャックナイフ
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『ジャックナイフ』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 アメリカ北東部の田舎町、辺りは真っ暗な朝4時半にジョセフ“メグス"(ロバート・デ・ニーロ)は目覚め、身支度を済ませどこかへ出掛ける。50mくらい進んだところで男は突然Uターンし、忘れ物を取りに戻る。左手に持った6缶のビール。男は眠気も見せずにどこかへと出掛けていく。早朝6時、一軒の邸宅前に着いたメグスは近所迷惑も考えず、正面のドアを何度も叩きながら「デカチン野郎」と叫び続ける。その尋常じゃないノイズに、夜中の2時までテストの採点をしていたマーサ(キャシー・ベイカー)は叩き起こされる。明らかに不審な人物がデイヴと呼びかけるのを聞いて、妹は兄(エド・ハリス)を起こしに向かうが、2日酔いで深い眠りの渦にある兄貴はまったく起きる気配がない。恐怖に駆られたマーサはゴルフ・クラブを握りしめながら、騒音の元へと向かう。女がゴルフクラブを振りかざしたところで、困ったメグスは「君のことはよく知っている」と許しを請うような目で話しかける。かつてメグスとデイヴは、ヴェトナム戦争で同じ部隊で戦った戦友同士だった。基礎訓練からずっと一緒で、気心の知れた間柄だったメグスはデイヴを連れて、魚釣りの解禁日にニジマスを釣ろうと長距離電話で誘う。だがデイヴはその約束をすっかり忘れ、酩酊状態のまま2階のベッドに横たわる。釣り餌のミミズでびっくりさせた後、デイヴはマーサを伴い、渋々小雨の降る川へ釣りに出かける。メグスとマーサが釣りに励む中、2日酔いのデイヴは大きな岩の上に座りながらウィスキーを呑んでいる。

 デイヴは明らかにヴェトナム戦争の後遺症(PTSD)を抱えている。彼は実の妹に自身の壮絶な戦争体験を語ろうとせずに、ひたすら殻に閉じこもる。既に他界した両親の代わりに、化学教師で貞淑なマーサが彼の傷ついた心を慰める。彼女はおろか、友人もおらずただひたすら孤独の檻に閉じこもる。そんな彼の内省的な心のかさぶたを強引に剥がそうとメグスが突然現れ、デイヴの人生に介入する。彼はメグスのことを狂人と罵り、妹にも親しくしないよう求めるが、戦場では2人はある人物を介し、仲良し3人組として地獄の戦場の最前線にいたことが明らかにされる。79年のフランシス・フォード・コッポラの『地獄の黙示録』の後、反ヴェトナム映画は根底にシリアスさを置きつつも、次第にエンタメ路線に舵を切る。1982年のテッド・コッチェフの『ランボー』やジョセフ・ジトーの『地獄のヒーロー』はその最たる例であろう。徐々に人々の記憶からシリアスな記憶が薄れ、戦争の爪痕は風化していくかに思われたが、そこに2本の映画が待ったをかける。1つは1985年のオリバー・ストーンの『プラトーン』、もう1つは87年のスタンリー・キューブリックの『フルメタル・ジャケット』に他ならない。冷戦構造の只中にあった80年代、核保有国であるアメリカとソ連は一触即発の状況にあったが、同時に70年代にニクソン大統領によって集結した禍々しきヴェトナム戦争の総括は済んでいなかった。まるでマイケル・チミノの『ディア・ハンター』の後日譚のようなマイケルならぬ、メグスの描写は心に傷を負っているものの、デイヴほど傷跡は深くない。

 では今作におけるメグスとデイヴの決定的なレイヤーの差はいったい何なのか?それはデイヴがアメリカ国家に無理矢理に徴兵された兵士だったのに対し、メグスが志願兵だったことに尽きる。アメリカの徴兵制は1973年1月にヴェトナム戦争の和平協定成立時に廃止される。従ってクリント・イーストウッドの『アメリカン・スナイパー』のクリス・カイルは徴兵制度ではなく、愛国心で自ら進んで志願した愛国者だったことがわかる。1960年代末期~1970年代初頭には、個人が望む望まないに関わらず、徴兵制度により多くの若者がヴェトナムの戦場に送られた。その結果、望まざる戦場送りが帰還兵の将来に大きな影響を及ぼすことになる。『ダーティ・ハリー』のスコルピオことサソリは、国家に無理矢理に地獄の戦場へと送り込まれた男の成れの果ての姿に他ならない。「お家に帰りたい」という言葉を持って国に帰ったところで、彼らには祖国アメリカはもはや安息の地ではない。今作においてもデイヴは過干渉に妹のマーサの貞操感を縛りながら、自分は誰にも悲惨な戦争体験を語れずにひたすら殻に閉じこもる。ミリタリー・ファッションに身を包んだ大学生を罵倒する酒浸りのデイヴは明らかに常軌を逸しているのだが、ASKAと同じアンフェタミン中毒でアルコール中毒に陥った男はメグスの問いや危険なドライブにもほとんど動じることはない。クライマックスの心底平和なダンス・パーティと不幸のどん底にあるデイヴとのクロス・カッティングが素晴らしい。白タキシード姿のロバート・デ・ニーロ(幾分ファニーだが 笑)はシンデレラにガラスの靴を履かせるものの、デイヴのPTSDがロマンスをも引き裂いて行く。ロバート・デ・ニーロとエド・ハリスの当代きっての2人の名優の共演は今振り返ってもやはり素晴らしい。だが89年3月に封切られた物語は、半年後の8月に封切られたブライアン・デ・パーマの『カジュアリティーズ』の映画史的評価により闇に葬られる。しかしながら今作は冷戦崩壊直前の、ヴェトナム戦争反戦映画として忘れてはならない隠れた名作中の名作に違いない。
デイヴィッド・ジョーンズ監督作品。スティーブン・メトカルフェ脚本・原作戯曲。ロバート・デ・ニーロ43歳、エド・ハリス39歳主演映画。

ふたりのヴェトナム帰還兵の友情と再起を、ひとりの女性の愛を交えて描くドラマです。戦争で傷ついた心と体を一生抱えて生きていく苦悩…今もなお終わることのない戦争に心を痛める今日この頃です。
yukko

yukkoの感想・評価

3.2
コレ、観てた。所々憶えがあった。
若い頃デニーロ基地害だったのでたぶんその頃。
若い子がベトナム戦争帰還兵のPTSD物観てもわかんないって💦だから観た記憶無かったのね~。

デニーロもエドハリスもすでに老けてて驚いた。
45歳?50歳オーバーに見える。このふたりは若い頃から老け顔だけどw

かなり地味な内容で2度寝落ち💧

『ジャックナイフ』に似ている作品

バーディ

上映日:

1985年08月30日

製作国:

上映時間:

120分

ジャンル:

配給:

  • ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
3.8

あらすじ

繊細な心を持つバーディは、ベトナム戦争で心を病み、精神病院に収監される。彼の心に去来するのは、「鳥になって、自由に空を飛び回りたい」という思いだけ。同じく戦争で負傷した高校時代の親友アルは…

>>続きを読む

ビッグ・ウェンズデー

上映日:

1979年04月21日

製作国:

上映時間:

120分

ジャンル:

配給:

  • ワーナー・ブラザース映画
3.7

あらすじ

『地獄の黙示録』の脚本を担当したジョン・ミリアス監督作。水曜日にくる伝説の大波「ビッグ・ウェンズデー」に挑むのが夢のマット、ジャック、リロイ。ベトナム戦争の徴兵を経て、再会した彼らが再び波…

>>続きを読む

7月4日に生まれて

上映日:

1990年02月17日

製作国:

上映時間:

145分
3.5

あらすじ

アメリカの独立記念日に生を受けたロン・コービックは、高校卒業後、愛国心と希望を胸に海兵隊へ入隊しベトナムへと旅立つ。だが、戦場でロンは部下を撃ち殺してしまい、自身も下半身不随となる。その後…

>>続きを読む

ディア・ハンター

上映日:

1979年03月17日

製作国:

上映時間:

183分

ジャンル:

配給:

  • KADOKAWA
4.0

あらすじ

1960年代末、ペンシルバニア州ピッツバーグ。町の製鉄所で働くロシア系アメリカ人のマイケル、ニック、スティーヴンの3人は、徴兵されてベトナムの戦場に送られる。戦場での過酷な体験は3人だけで…

>>続きを読む

勇者たちの戦場

製作国:

上映時間:

107分

ジャンル:

配給:

  • ギャガ
3.3

あらすじ

イラクに長期駐留を強いられてきた軍医ウィルと若い兵士トミー、ジョーダン、ジャマール、ヴァネッサらに帰還命令が下る。だが最後のミッションで武装勢力に急襲され、心身に傷を負った彼らは、帰国後も…

>>続きを読む

ブラック・スネーク・モーン

上映日:

2007年09月01日

製作国:

上映時間:

115分

ジャンル:

3.6

あらすじ

妻に出て行かれた元ブルース・ミュージシャンのラザラスはある日、道端で血だらけの女・レイを拾う。恋人が入隊して孤独に耐え切れなくなった彼女は、SEX依存症を抱えていた。彼女の心の闇を察したラ…

>>続きを読む