爆裂BOX

高速ばぁばの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

高速ばぁば(2012年製作の映画)
3.2
三人組のアイドルユニット「ジャージガール」はテレビ番組のレポーターとして訪れた廃墟の老人ホームで、恐ろしい光景を目にしてしまう。それは凄まじい速さで移動する老婆の姿だった…というストーリー。
自動車を追い抜くスピードで走行する老婆「ターボばあちゃん」の都市伝説を題材にしたホラー。「先生を流産させる会」の内藤瑛亮監督が脚本・監督務めています。
老婆を目撃した日から彼女たちの周りで次々異常な現象が起き初め、メンバーの一人アヤカは顔の傷がいつまでたっても治癒しない為グループを脱退。マネージャーやディレクターの身にも不幸な出来事が起き初め、残された二人は意を決して老人ホームに向うが、という内容です。
廃墟にロケに行ったアイドルグループがそこで遭遇した老婆の霊に呪われるという物語ですが、肝心の高速ばぁばはそこまで高速ではありません(笑)まあ、実際に高齢者の方が演じてるようなので速く走れないのは仕方ないのかもしれないけど…顔面白塗りでボサボサ髪でカサカサ迫ってくる姿はそんなに怖くはなかったかな。
ばぁばよりも、一番人気の美少女アヤカのジャージにホッチキスの針仕込んだり、公演中に頬の傷隠すために被ってるウィッグ取ったり、それを他のメンバーに指示してやらせたりするアイドル同士のドロドロ具合の方がリアルに嫌で怖いですね。
頬の傷口が爛れていく所はちょっと「デモンズ」彷彿しました。耳から黄色い膿が垂れて来たり、マネージャーが傷を負った腕をボリボリ掻いて、かさぶたや皮膚がボロボロ落ちてくるシーンや、飲んでる水の中にそれが入ってるシーンは生理的に気持ち悪くて良かったですね。マユコが口から吐き出した白髪の先端にばぁばの小さな顔がついてるシーンはちょっと笑っちゃった。
物語の繋がりがおかしいというかカットがおかしいなと感じる所ありましたね。最初に廃墟に入ったアヤカがカーテンに覆われた何者かに襲われたと思ったら、次のシーンでは普通にライブしてたり、また廃墟にロケに行って怪異と遭遇して、岡田義徳演じるディレクターの両足がへし折れたと思ったら次のシーンでは普通にダンスの練習してたり、前のシーンと繋がってないんじゃないかと思わせる点がありました。
メンバーの中で一番人気の美少女アヤカを演じた未来穂香(現矢作穂香)ちゃんが非常に可愛かった。序盤のV回してる時のぶりっ子ぶりも良かったですし、終盤の無表情で部屋の中を捜索してる姿も良かったですね。「見っけ」はちょっと怖かった。ナナミとマユカも可愛かったですね。彼女たちジャージガールが歌う歌壊滅的にダンスも歌唱力もアレなんだけど、なんか耳にこびりついて離れない(笑)
ばぁばの誕生にも理由がちゃんとあって、老人ホームの介護職員による老人虐待という社会的なテーマに繋げてたりと意外とストーリーはありましたね。しかし老人虐待のシーンは胸糞悪かったなぁ。ベッドに縛り付けられて「誰か~!助けて~!」と悲鳴上げるシーンは強烈だった。あの老人たちの怨念の集合体が高速ばぁばという事か。
裏で陰湿ないじめ扇動してたマユカも、一見冷たいようだったアユミも最後は仲間の為に行動してたな。しかし一気に老婆になってそのまま生きて行かなくちゃいけないかも、というのも嫌ですね。あの廃墟に足踏み入れた時点で誰も助からない運命だったのか。そこは「呪怨」みたいだな。
ホラー描写や気持ち悪い描写もありますが、そんなに怖くはないしクオリティもオリジナルビデオみたいな所ありますが、ジャージガールズのの歌は必聴の価値ありかも(笑)