1944年、春。日中戦争に出兵した久蔵は、故郷の村に帰ってきた。両手両足を失い、頭は焼けただれ、耳も聞こえず、口も利けないその姿に村人は驚き恐れるが、勲章を授けられた彼を生ける軍神と奉る。…
>>続きを読む昭和11年、中野の料亭に定という30過ぎの女が女中としてやってくる。彼女は主人・吉蔵と愛欲を交わす関係になるが、彼の妻に知られてしまったためふたりで駆け落ちする。ある旅館にたどり着いたふた…
>>続きを読む瀬戸内の小さな港町に、やたら肝臓病と診断するので“カンゾー先生”と呼ばれる開業医・赤城風雨がいた。いつの日か肝臓病の病原菌を突き止め、病に苦しむ人々を救いたいと、往診で町中を走り回る彼のも…
>>続きを読む昭和20年の夏。魚雷を脇に抱えたドラム岳が太平洋に漂流していた。この工兵特別甲種幹部候補生の“あいつ”は、まだ終戦を知らない。あいつは、あの1日だけ与えられた外出許可を思い出す。古本屋へ行…
>>続きを読む永井荷風は妻も取らず女道楽を続けていたが、58歳を迎え、色欲の衰えとともに創作意欲が減衰していくのを感じていた。そんななか、荷風はお雪という娼婦に出会い足しげく通うように。創作意欲を取り戻…
>>続きを読む1945年の沖縄。戦禍からは遠く離れた小さな島に渡って独り暮らし始めた16歳の 少女・洋海(織田梨沙)は、洞窟で脱走兵である日本人・隆康(満島真之介)とアメリカ人・ボブ(ブランドン・マクレ…
>>続きを読む昭和63年の夏、山口県下関市。17歳の遠馬は、父親とその愛人と暮らしている。普段は明るい父だが、彼にはセックスの時に女を殴る暴力的な性癖があった。戦争で左手を失った遠馬の実母は、そんな夫に…
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