MasaichiYaguchi

ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

2.9
中国の武侠物で初の3D映画だということで、スクリーンを人や烏、剣や矢、クナイ等、そして終盤ではそれらを全てひっくるめて飛んでいく。
映画は、奥行き感を活かした空中戦や派手な剣戟で幕を開ける。
本作は、中国明時代の朝廷内の腐敗や「東西」の勢力争い、砂漠に眠る秘宝探し、男女の深い愛等、様々な要素をギュウギュウに詰め込んだエンターテインメント映画。
オープニングから2時間のジェットコースターに乗っているみたいに、剣戟、肉弾戦が間断なく繰り広げられる。
主演のジェット・リーが、ワイヤーアクションを含め身体能力全開にして、画面狭しと躍動しているが、観終わった後に何も残らない。
「香港」のスピルバーグと呼ばれるツイ・ハークは、本作で何を描きたかったんだろう。
胸躍るアクション活劇、インディ・ジョーンズの様な秘宝探検、激動の歴史に翻弄される男女の愛、これらの要素を一つの作品に詰め込んでいるので、何がメインなのか分からない。
たぶん、勧善懲悪のスペクタクル映画を撮りたかったんだと思うが、どれか一つに絞って描いた方が良かったと思う。
この作品を観終わった後、思い浮かんだ諺が一つ、「二兎追うものは一兎も得ず」。