明石です

フリーランサー NY捜査線の明石ですのレビュー・感想・評価

フリーランサー NY捜査線(2012年製作の映画)
3.7
汚職と非行に立ち向かう正義感溢れる黒人警官を主人公にしたビバリーヒルズコップのシリアス版みたいな映画。3人新人警官が、3人のベテラン警官から別々の教えを受けるという独特の構図が良い。ベテラン警官はみんな揃いも揃って極悪人で笑、白い粉で飼い慣らされる新人警官たち、、かなりドス黒いお話でした。

「俺が重要な質問をするのは答えを知ってる時だけだ」と、序盤からデニーロ親父の存在感が凄い。しかし主演の50セントの魅力は最後までわからずでした。緊張感のないニヤニヤ演技が気になって台詞に集中できず、そしてなぜかラッパーなのに滑舌悪く何言ってるかわからない、、いっそ相棒役で出てるフォレスト・ウィテカーが主役だったらよかったのに。

また、ところどころ女性蔑視や人種差別など倫理的にクリーンでない描写を意識的に入れてる(入れ過ぎてる)感じが鼻につく。黒人差別の話かと思いきや、白人もプエルトリコ系もアジア系もみんながみんな差別しあってる、何が楽しくてそんなことを過度に描くのか。正直、気分はよろしくなかった。

家族や友人にはお薦めできないけど、ストーリーが意外にも骨太だし展開はスピーディで見やすいしで、全体としてはかなり楽しめた。個人的には嫌いになれない映画。まあ全てが主人公にとって都合の良いように運びすぎ、そして最後も丸く収まりすぎてるのは、50セント氏のぶきっちょな笑顔に免じてご愛嬌ですかね。

「ああいう奴は塀の外にいた方がいいんだ。2、3年もムショにいれば、次はムショに戻りたくなって銃を撃つ」というベテラン警官の言葉が記憶に残っている。
明石です

明石です