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宇宙戦艦ヤマト2199 第四章「銀河辺境の攻防」のbluetokyoのレビュー・感想・評価

3.5
なんでそれなりにクオリティが高いのだろう。こんなもん、てきとうに作っておいても、うちらのようなヤマト懐かしい世代が食いつくので、楽勝な気もするが。とくに森雪さんの造形がとてもよい。こんなに奥深いひとだっけ、と思ってしまう。サナダさんと沖田艦長のリーダーシップもよく表現されている。惜しむらくは、各エピソードが短くさらっと終わってしまうぐらいか。スピンアウトさせて、それだけで一つの作品ができるぐらいに各エピソードの内容が濃い。

もっとも秀逸なのは、ガミラスサイドの描き方だ。野蛮で粗暴な戦争マニアと思っていたが、まったくそうではない。驚きなのは、ファーストコンタクトで、最初に先制攻撃したのは、地球だということだ。残念ながら、十分にあり得ると思えてしまう。日本ばかりではなく、地球連邦政府のような組織があったにしても、トップに立つのは、思慮のない愚かな人間なんだな。人類の最大の弱点でもある。沖田艦長のような人物は、結局、中間管理職止まりなのである。しかも悪いことに、トップは、責任逃れのために、ウソ情報を広めてしまう。

地球が先制攻撃をしてしまったことを認めたくない島と五代が喧嘩してしまう。だけど、最後は仲直りする。ここらへんの人間関係も細やかに描かれている。

異次元潜水艇の狼、フラーケンは、迫力があっていい。雑魚キャラではない。そういうのもちゃんと描かれている。

ガミラスサイドの描き方でもう一つ。ヤマトを攻撃しているだけではなく、宇宙のあちこちで、戦争しているらしい、ということも描いている。それはそうだよな。
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