2012年公開。松江哲明が監督。
ディジュリドゥ奏者のGOMAの経歴を振り返る。彼は一体何者なのか。決して彼の言葉を用いることはない。新たに撮影した映像は演奏のみだ。その演奏を前面に置きつつ、後方のスクリーンには過去の写真や動画が交錯する。
2009年、衝突事故をきっかけに高次脳機能障害になる。自分が音楽家だということを忘れ、なぜだか画家としての活動を始め出す。もちろん苦痛も大きい。妻やGOMAさんの日記の言葉を、テロップや写真で交錯させる。
エンドロールが終わると、現在の演奏も終わる。監督のカットの声が響く。しかしカメラはまだ回る。演奏を終えたGOMAさんの笑顔が垣間見える。ここまで、過去の写真や動画、現在の演奏している姿しか見ていない。ここで初めて、今を生きるGOMAさんが見えた。
