メタ壱

さよならドビュッシーのメタ壱のレビュー・感想・評価

さよならドビュッシー(2013年製作の映画)
3.3
両親が危険な国に仕事に行く事をきっかけに従姉妹の遥宅に預けられる事になったルシア。
しかしある日、遥宅が火事になりルシアと祖父が死んでしまう。
大火傷を負いながらもなんとか生き延びた遥は懸命にリハビリに耐えながらも夢だったピアニストを目指す…というお話。

原作は未読。

映像作品だからか、一番大きなどんでん返し部分は簡単に予想がついてしまったので真実が解った時も、おぉ!とはならず、ですよね〜ってなってしまいました。

だけど、本作はヒューマンミステリーではあるものの、ミステリー部分はあまり深堀されていなく、主人公のピアノとの向き合い方に焦点が当たっているドラマ作品だと感じました。

重要な遥とルシアの関係があまり掘り下げられていなかったのでなかなか感情移入が難しかったのですがその反面、二人の関係や主人公が背負っていた思いを後から想像しながら反芻できるのがなんだかエモい。

クラッシック音楽の世界では作曲者の人物像や背景を理解する事が重要と言われていますが、ピアノとクラッシック音楽をテーマにした本作も、語られていない部分が多いからこそ主人公の背負っていたものの重さや苦しさを深く理解したくなります。

二人の関係は語られていないなくとも、ラストの走馬灯の様な回想シーンに沢山のものが詰まっていて、それまで理解しづらかった感情がスッと心の中に流れ込んでくるようでした。
メタ壱

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