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さよならドビュッシーのellshootingstarのレビュー・感想・評価

さよならドビュッシー(2013年製作の映画)
4.0
ドラマで観て橋本愛が気になり、原作未読で視聴。

まずは橋本愛の演技が素晴らしかった。せっかくの美形なのに1度くらいしか笑わない。それでも沢山の事情を背負い込んでいるこの年代の少女を好演している。

清塚晋也が出演しているのを知らずに観たのだか(役者の経験があること自体知らなかった)、なかなかな演技であった。ピアノはもちろん、トークも抜群に面白く、役者も出来、お顔も丹精なので、多彩さは星野源レベル。Eテレ『クラシックTV』で、わかりやすく音楽解説をしてるくらいなので、この映画のピアノや音楽に関するセリフに説得力があるのもある意味当然か。

昔、相米慎二監督の『雪の断章』という、原作はミステリーなのに、ミステリー要素はあるものの、謎解き部分をほぼ無力化した映画があり、それを思い出した。主役がめちゃくちゃカワイイ(そちらはまだティーンエイジャーの斉藤由貴)、主人公が家族を失い事情や困難を抱えた女子高生、それを支える血はつながらないけどお兄さん的な役割の助演がいる、ミステリーを原作に持つがヒューマンドラマとして再構築している、心象風景のような幻想シーンが時折挿入される、という点でとても共通していると思った(とは言え、本作の方はまだまだミステリー要素が強め)。

【その他】
ミュージシャンのサエキけんぞうが役者をやっているとは意外だった。

名古屋あるいは愛知が舞台の映画はあまり聞いたことがないので、大変良かった。