ゆめこ

undoのゆめこのレビュー・感想・評価

undo(1994年製作の映画)
3.5
二人のキスやわずかな皮膚の触れ合い、その一つ一つが画面に不気味に映し出される。歯の矯正器具という枷をうしなった女が自分と彼が纏うありとあらゆるものを縛り、必死に繋ぎとめようとするはなし。

ラストシーン
二人の間に性の匂いや濃い愛情は一切感じられず、拙い手つきで縛っていく様は事務的で滑稽に見える。しばるほどに解けていく関係、それを冷静に感じている二人の陰鬱な空気や冷めていく部屋の温度、ベタついた明け方の寝室、互いの息遣いが観ているこちらに纏わりついてくるくらい生々しく描かれていた。どのシーンも息をのむほどにきれいだけど、この映画をすきになれないのは監督の狙い通りなのかな。
ゆめこ

ゆめこ