このレビューはネタバレを含みます
アラーキー的な縛る対象と縛られる対象の1on1緊縛なのかと思いきや、一鬼のこ氏の対象と空間を融合した縛りに近い。
素人目ながらも、後者ではどうしても対象者に対するエネルギー、この場合では愛が分散してしまっていたように見え、だから妻は最後まで「もっと」「ちゃんと」と繰り返して物足りなさを訴えていたように感じた。
ただ緊縛の技術はメタファーにすぎず、本当は縄なんかじゃなくて彼の愛でがんがらじめに縛って欲しかった彼女を彼は理解できなかった。
普通の可愛らしい妻(というより彼女っぽい)から最後にかけてどんどん心が縛られ/緩み、壊れていく山口智子がとても良かった。家の生活感の無さも好きでした。