ハマチン

ゼロ・ダーク・サーティのハマチンのレビュー・感想・評価

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)
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女性を主人公に据えてあるけど、これだけ骨太でワイルドな作品を女性の監督が撮っていることに驚くが、「ハートロッカー」や「デトロイト」を作ったキャスリン・ビグローだからこそ作ることができた作品だと思う。

実話ベースだが、主人公のモデルについては様々な説あり。
ドラマチックな展開や演出を排して進むストーリー、中盤まではいろんな名前が飛び交い、集中していないと置いてけぼりになるしどちらかという地味な展開。
だが、中盤から後半、特にビンラディンの隠れ家へ突入するシーンの暗視カメラを使用しながらの緊張感は半端ではない。

この作品のMVPは、やはり主人公マヤを演じたジェシカ・チャステインの冷血と呼ばれながらも大半が男性を占める世界で執念を持ってビンラディンを追う姿には痺れる。
最後、目的を達成できたにも関わらず爽快感や達成感ではなく、寂寥感だけがただ残っているようなラストシーンが印象的。

「デトロイト」以来、新作を作っていないキャスリンビグローの骨太社会派作品を待っています。
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