むらむら

ゼロ・ダーク・サーティのむらむらのレビュー・感想・評価

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)
5.0
ビンラディンのCIAと米海軍による暗殺作戦を元にした映画。主演のCIA分析官・マヤ役は「MAMA」で生活能力ない癖に姪っ子たちを預かって酷い目にあう、主役のロック女子を勤めたジェシカ・チェステイン。

冒頭、かなりえげつない拷問のシーンがある。水責め、箱詰め、殴打などなど……CIAにそんな拷問を受けても口を割らないアルカイダ協力者が、下半身丸出しで目隠しされ、マヤと二人っきりになったら、あっさり口を割ってた。あの拷問のシーンは何だったんだ……。

他にもマヤは、テロに巻き込まれたり、銃撃受けたりするんだけど、

「あたしの意見が聞けんのかーい! UBL(ウサマ・ビンラディン)を絶対に探すのよ!」

と上司を恫喝するほどの剣幕。個人的には絶対に同僚にいてほしくないタイプ。

そんで、アフガニスタンの基地で同僚を自爆テロにて失ったことで、ストーカーばりにUBL捜索に熱意を傾けてく。でもCIAの仕事してて、自爆テロに巻き込まれるのって、危険手当みたいなもんで、そんなに怒るんだったら別の仕事探せばいいじゃん、って思っちゃった。

以下ちょっとネタバレだけど、上司の反対を押し切って

「100%、UBLはここにいます!」

と断言して、ステルスヘリ2機に載せた海軍精鋭部隊をパキスタンに送り込む。いや結局、UBLそこにいたからいいんだけどさ、一歩間違ったら国際問題、大事故だよね!? 途中「どうしても通信が辿れない……」って悩んで一時間くらいウロウロしてたけどさ、部屋にパソコン10台くらいあったよね? あれ何? マインスイーパーとDVD焼くためにあったの?? どう考えてもネットやってると思うんだけど。

それと、マヤちゃんCIAだから、UBL掃討作戦に加われないのは分かるんだけどさ、さっき出てきたばっかりの海軍精鋭たちがヤァヤァUBL攻めに来ても、観客からはUBLに対するイジメにしか見えないよ。アベンジャーズに包囲されたサノスみたいな。うーん。

というわけで細かいディテールが荒く、マヤちゃんに感情移入できない作りなんだけど、戦争ってそもそも複雑なもんだよなー、って考えたら、マヤちゃんに感情移入できないのが当然なのかも。ということで、俺的には観て良かったです。
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