こたつむり

草原の椅子のこたつむりのレビュー・感想・評価

草原の椅子(2013年製作の映画)
2.6
まるで草食動物のような映画。うん。タイトルも草原ですものね。

振り返れば佐藤浩市さん、というくらい僕が見る邦画での出演率が高い彼も、本作品では草食動物でした。見た目は肉食動物っぽいけど。
共演の西村雅彦さんも草食動物です。しかも、かなり迂闊なタイプっぽいです。関西弁が浮いてます。
ヒロインポジションの女優さんも草食動物です。プライベートでどうかは分かりませんが。

そんな草食動物たちばかりの映画ですから、どうしても淡々と話が進んでいきます。動物と子供の話は鉄板、とよく言いますが、草食動物ばかりだと山も谷もありません。
まあ、いつも食べてるのが草ですからね。草は逃げないですからね。草に向かって「がおー、食べちゃうぞー」なんてやってたらおかしいですからね。

そんな中、唯一のクライマックスが肉食動物の小池栄子さんの出現でした。登場した瞬間に緊張感が走ります。
く、喰われる…!ざわっ…!ってなくらいの存在感!壊れた肉食動物のような演技は圧倒的です。
流石と言うしかありません。
しかし、そんな彼女も早々に物語からは退場してしまったので、残るは草食動物ばかり。
物語は淡々と進むだけで、後半は山も谷もありませんでした。山登りはしてましたけど。
映画のオチも草食動物たちばかりの話ですから緩やかです。数週間したら忘れてしまいそうな雰囲気です。

そんなわけで。
レビューも淡々となってしまいましたが。
うん。
僕も草食動物だから。
草食動物が草食動物の話をレビューしたら。
淡々となりますな。

仕方ないですね。
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