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ローラのtntnのレビュー・感想・評価

ローラ(1981年製作の映画)
4.2
コントラストのみならず、例えばピンクの淡い色合いは、画質の良いバージョンで見て初めて良さがわかる。他の作品も改めて良い状態で見返したい。
ローラとフォン・ボーンが、初めてデートしてからキスするまでのシークエンスが、色彩も照明も音楽も演技も(つまり演出全て)とてもロマンチックで、ファスビンダーの映画でここまで情緒的な恋愛が描かれるのかと驚いた。
ダンスホールでの再会も、めちゃくちゃドラマチック。
『マリア・ブラウンの結婚』『ローラ』『ヴェロニカ・フォスのあこがれ』は、戦後ドイツ3部作と括られるらしいが、共通するのは権力配置の中にいる女性主人公だけでなく、彼女を取り巻く男たちのホモ・ソーシャルな関係性も重要。
汚職と賄賂まみれでセックスワーカーを搾取してる権力者共を放り出して、ローラとフォン・ボーンで幸せになれば良いのにと思うのだが、そうはいかないのがメロドラマなのか。
アデナウアー再軍備以降の西ドイツや、コミュニズムなど政治的・思想的文脈もあるので、勉強したい。
あと普通にいい映画だったので、演出とかに気を配ってる暇がなかった。要再見。
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